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給湯器の歴史を調べてみると・・・

今回担当は山中です。

給湯器の歴史について調べてみました。

もともとは明かりとして活用されていたガスは、次第に料理や暖房目的で使われはじめ、今では給湯や床暖房、浴室乾燥などの熱源としてなくてはならない存在です。

そもそも給湯器はどういった形で生まれ進化を遂げてきたのでしょうか?

そこには日本人の生活や価値観の変化に合わせて徐々に姿を変えながら現代の姿に進化してきた給湯器のストーリーがありました。

給湯器が進化してきた歴史を紐解いてみましょう。

 

◆1927年頃:給湯器誕生前◆

従来お風呂といえば銭湯というのが一般的でしたが、関東大震災後あたりから個人風呂のシェアが拡大していきます。しかし、お湯を沸かす熱源としては、まだまだ薪・石炭がメインで給湯器は登場しません。

 

◆1930年:エネルギーの転換期◆

意外なことに国産第一号の給湯器が発売されたのは1930年頃です。結構早い段階で給湯器が開発されていたのですね。

給湯器の発売が早くに実現したのは、進駐軍からの強い要望があったようです。シャワーを浴びる習慣がある国の人にとって給湯設備の確立は待ち望まれていたことでしょう。

この時期は、給湯の熱源が、薪・石炭からガス・石油へと移り変わっていった転換期でもあります。ですが、ガスを使って入浴するのは主に都心部に限られた話であり、地方では相変わらず五右衛門風呂などが主流だったようです。

 

◆1950年代:内釜式のお風呂が登場◆

1945年戦争が終結し日本は戦後の混乱期を迎えます。じわじわとシェアを拡大していった個人風呂ですが敗戦国日本の国民にとって入浴は再び贅沢なものに戻っていきました。そして戦後の混乱期を抜けた1950年代、給湯器の需要が増大することになるのです。

徐々に集合住宅が増え始め再び内釜式のお風呂が登場します。浴槽の隣に設置された給湯器の上からは煙突が飛び出ていて外に換気する構造になっていました。しかし、仕組上の課題からうまく換気ができず事故が多発。内釜式でも問題なく換気できるシステム作りが急務となりました。

 

◆1965年:バランス釜風呂釜・小型給湯器の登場◆

そして1965年、屋外空気を直接取り入れ屋外に排気するバランス風呂釜(BF式)が登場するのです。よく「バラ釜」と略して呼んだりしますよね。

一方台所では小型の給湯器が浸透していきます。

それまでの湯沸かし器はまだまだ高価で、病院や理髪店など限られた場所でしか使われていませんでした。新しく登場した四角い形をした小型の給湯器は一気に日本の家庭に普及していくことになります。今でも会社の給湯器や事務所ではこの小型タイプの湯沸かし器が活躍していますよね。ちなみにガスでお米を炊くガス式炊飯器もあったんですよ。

 

◆1967年:セントラル給湯器が主流に◆

お風呂のシャワー使用のニーズが高まってくるとバランス型釜に給湯機能を組み合わせた中型給湯器によるセントラル給湯が主流になっていきます。簡易なハンドシャワーが可能な機器を導入し給湯機能と風呂機能が融合していったわけですね。給排気システムの開発も進み、ファンによる強制的な給排気を可能にするFF式が開発されます。

 

◆1976年:屋外設置型の給湯器が登場◆

現在ほとんどのご家庭で導入されている屋外に置くタイプの給湯器が登場したのはこのころです。(バランス釜(BF式)に対し、屋外設置型はRF式と呼ばれています。)リモコンを使った操作が可能になり対候性、害獣地策の観点からガス管が金属製にきりかわっていきます。東京ガスによるTES(東京ガス温水システム)販売開始もこの年です。

 

◆1980年代:様々な商品が発売される◆

1980年に入ると給湯器関連、ガスを使った家電など様々な商品が発売されました。

給湯器付風呂釜や全自動風呂給湯器、差し湯や追い焚き、お湯はり機能のついたコンパクトガス給湯器をはじめ、ガスを使った衣類乾燥機「乾太くん」の初期号も発売されました。

 

◆2000年代:環境意識のたかまり、新しい給湯器のカタチ◆

世界的な環境意識の高まりは給湯器の世界でも例外ではありません。給湯器業界で最も成功した例が「エコジョーズ」でしょう。

給湯器が稼働するときに発生する排熱を再利用するシステムで「エコ」「高効率」「省エネ」というキーワードが社会の風潮と一致しどんどんシェアを伸ばしています。

 

◆まとめ◆

給湯器の歴史を紐解くと「便利で快適な生活を送りたい」という切なる願いに駆り立てられ試行錯誤しながら進化してきた給湯器のカタチが見えてきました。

ガスの普及、生活水準の向上、環境意識の高まりなど、日本人のライフスタイルや価値観の変化に合わせ、私たちの生活に寄り添ってくれる給湯器。その進化はこれからも止まることはないでしょう。これからはloT住宅などAIを活用したスマートライフが起点になり給湯器も進化していくのではないかと予想します。

少しづつ、しかし確実に変化・進化していく今後の給湯器に注目し続けたいと思います。

そして、お客様にあった、最高の提案・ベストな提案ができるように心がけていきたいと思います。